ファンキーモンキーなシュー
腫瘍はこのところカサブタのまま内側からの腫れも見られず、落ち着いている。ガンは糖分がお好きとのことなので、いつも食べているフード(炭水化物の穀類が含まれている)の分量を減らして、鶏のササミ肉を入れているのが有効なのか。
ただ、そのせいでうんチョスの量がだいぶ減った。
繊維質が足りないのかもしれないので、ブロッコリなどの野菜を混ぜるようにしてみたりしたが、カロリーが減ったせいか痩せてきてしまった。それで、またフードの量を多くしてみているが、うんチョスが順調に増えて、今度はうんのフライングをされた。ちっこのフライングとまったく同じ場所で......。
11月の終わり頃からの脳神経症状についても、鳴き叫び事件以来落ち着いていて、毎朝マイソールの間によく寝ていたのがここ数日は起きているようになり、でもおとなしくしていてかわいらしい。
ところで、数日前からシューが夜寝ているときに布団の中で何度も位置を変えて、私の体に乗り上げたり、顔のほうに上がってきたりと暴れていた。暑いときに何度も布団を蹴ったり寝返りを打つような風だったので、その状態を「煩悶」とシューの病状を尋ねる練習生に話したら、伝わらなかったらしく、
「ハンモン??」
「ファンキーモンキー?」
すげー。
女子高生との会話みたいだ。
ハンモン → ファンモン → ファンキーモンキー というその連鎖っぷり。
そのあとスートラの準備しているとき、煩悩という字を見たら思い出し笑いが止まらなくなった。しかも、♪きみはfunky monkey baby! の歌付きで。
しかし、よく考えると、煩悶と形容したシューの状態はファンキーなモンキーとも言える。
天才発言か?
次は何がくるのかわからないが、とりあえず今はファンキーでモンキーよ。
正と邪の攻防
漢方では生命力のことを正気といい、病気の原因となるものを邪気といい、病気の経過はこの正気と邪気の勝敗による。生きる気マンマンのシューたろさんはまだ正気が衰えていないのだけれど、邪気のほうもまたやる気マンマンらしく、あの手この手を使って攻め立ててくる。
先週の金曜日、前の発作のから1日空けてふたたび発作があった。
昼寝して30分もたたないうちに、口にはさまったものを出そうとしているような動きをして、砂肝を小さく切ったものが詰まったのかなと見ていたら、けいれんの発作になった。発作自体はいつもよりは軽かったけれど、まさかの昼間発作(いつも夜)だったのと、あまりの頻度に、このところののんびりムードが一変した。
そのあとも、小さなピクピクしたけいれんが続いていて、これでは熟睡できないだろうと思う。抗てんかん薬と漢方薬も増やしてみているが改善されないまま。
そんな昨夜、21時すぎに突然ワンっと大きく吠えて起き上がり、ソワソワし始めた。いつもは鳴いても抱っこしたり、マッサージしていると落ち着いてそのうち寝るのだけれど、昨夜はせいぜい10分くらいでまた起きて吠える。抱き寄せている耳元で叫ばれるので、頭おかしくなりそうだ。
ご近所にも迷惑なのではないかと布団をかぶせて(防音)みたり、興奮状態のためかカラダが火のように熱くなっているので、ひんやりシートを敷いてみたり。そのうちハアハアと息が荒くなって来たので、首にアイス枕を当てたら、今度はブルブル震え出すのでまた布団に入れてあたためたり。
お水を飲ませたらガブガブ飲んだので、それで落ち着くかと思いきやまったく。何をやってもダメだ。シューがかわいそうで仕方ないのだが、私はもう眠くて眠くて......。10月はじめごろは地震がきただけで朝まで眠れなくなるほどスイッチオンの戦闘モードだったのに、腫瘍が無限ループに入ってそれがゆるんでからは逆に起きてられない。
がまんできずウトウトする→大迫力の叫び声で目が覚める、を繰り返しているうちに朝になった。ついにまるまる一夜、叫び続けてなおおさまらず。
外は横殴りの大雨。
急な気圧の変化による神経症状と見られる。これも一種の発作なのかもしれない。
朝ご飯のフードをふやかしていると、その間だけは匂いのもとを探して鳴き止んでいた。そしてガツガツと召し上がる。この強靭な食い気という生命力よ。ご飯を食べたら寝たけれど、20分くらいするとまた起きて叫び、やっと眠りについたのは7時少し前。目覚める前にふたたび吠えていたが、お昼ごはんのあとは落ち着いて、午後は外を少し散歩もした。今夜はゆっくり寝てほしい(寝かせてほしい)。
発作とは別に、昨日(11月30日)の朝もびっくりしたことがあった。
起きて来たシューが前脚でしきりに目をかいているので見ると、右目だけ目も周りの毛も目ヤニで完全に塞がっていて、どこに目があるのかもわからない。コットンにお湯を浸してぬぐい、一部毛を切ってようやく目が現れたが、しょぼしょぼしていてよく開けられないみたいだし、充血がすごい。1時間くらい経つともう黄色いねっとりした目ヤニというか膿のようなものが出ていた。
目の上も少し赤く腫れているので、今度は目に腫瘍?? やがてバケモノのような顔になるかもと思ったりしたが、今日は膿はなく、すっかり腫れも引いて充血もあらかたとれている。一時的な炎症だったのか。腫瘍が見つかった翌日、口が腫れたときのように一気に腫れてすぐ引いた。
生命力(免疫)なのか、漢方が効いたのか。
とにかく出てくる症状はいちいち激しいけれど、シューの「食べる力」がすべての病邪を追っ払っている。こう見えてシューさんは戦隊モノのヒーローみたいなものかも。食べレンジャー、いや「食べルンジャー」だな。
18歳5ヵ月に
本日、18歳5ヵ月になったシューたろさん。
10月はじめの時点では、ここまでもたないか、あるいは末期的な様相になっていることを想定していたのに、そんな気配がなくてなんだか申し訳ないくらいだ。
昨日、少し迷ったけれどええいと全身シャンプーしたら、案の定発作が起きた。脱衣所をガンガンあっためて、ソッコー乾かして服着せて、リスクを最小にしたつもりだったんだけど、そうとうなストレスであったことは間違いない。お風呂のあと4時間くらいで発作発生。いつも私が寝た後か布団に入っているときにはじまるのだけど、きのうは私が風呂上がりの髪の毛濡れた状態だったので、頭にバスタオル巻いたままあたふたした。
大発作が収まっても数時間は神経の興奮状態が続いて、ピクピクとけいれんが続く。その間、立ち上がろうとしては転び、立ち上がろうとしては転び......ということを繰り返す(それでサークルが必要)のだけど、転んだ拍子に腫瘍の第5次崩壊まで発生して、血と滲出液でえらいことに。
おまけにおむつをしていなかったもんだから失禁の片付けもたいへんで。あんど、今朝も不測のちっこが2回あり、今日は洗濯機を5回まわしたさ。それよりここ数日、9周年関連で寝不足続きだったから、発作で寝られないのが拷問すぎた。さすがに今日は昼間寝落ちた(ので今起きていられる)けどね。
授乳中のお母さんとか、在宅介護している人はたいへんだよね。どちらも経験しなかった私は、そのたいへんさが想像できるくらいにはなったかも。
発作の翌朝だろうが、食欲にはみじんも変化のない、不死身のシューたろさん。
昔のオンナがきてくれたぜ
さて、その後のシューは相変わらず。弱っていく気配はまったくなく、部屋の隅につきあたって迷子になってはイラっているくらいだ。腫瘍は第三次の崩壊のあと、昨日カサブタがとれかけたまま、内側から第四次が崩壊し、血が混じった滲出液が出てきた。もはやループなので写真省略(撮ってもいない)。
言わずもがなではあるが、食欲は全開である。
シューの病状を心配して会いにきてくれたゆっちゃんママも、ぼんやり佇んでいたおじいちゃんがごはんを食べ始めたら突然飢えた狼になったのを見てウケていた。
シューを実家に預けることができなくなってから、泊まりで出かける時のシューの預け先に苦労したのだけれど(ペットホテルなどが超苦手なため)、ゆっちゃんのママが二度ほど預かって家族みんなでかわいがってくれて、どんなに助かったことか。一度目のときはまだゆっちゃんのママが毎日CHAZENで練習していたので、連れて行ってリードを渡したらシューは大喜びで大好きなゆっちゃんママと一緒に走り去り、私のほうを振り向きもしなかったのだ。
これには驚いた。
いつだって今生の別れのように泣き叫んで飛びかかって大騒ぎするのに、生涯にただ一度だけ、このときだけはオンナ好きが優って捨てられる恐怖を感じなかったらしい。奇跡だ。
私の姿が見えなくなったときのシューの狂わんばかりの必死さを見ると、たとえその他の条件が合ったとしても「この犬を預かるなんてムリっ」て誰もが思うのよ。だからシューが喜んでついていったのを見て、ほんとうに安堵した。ゆっちゃんママには感謝してもしきれないほどの恩義を感じている。
そして、そういったわけで、かれこれ5年ほど私はシューを置いてはどこにも行けないでいる。シューを看取った後は勝手気ままな旅に出るぞと企んでいるのだけれど、どうもシューがそれを察知して「絶対死ぬもんか」とがんばっているように思えてならない。全力で阻止しているように思えてならない。
現状、私が旅に出られるのはまだ先になりそうだ。
無限ループ
展開が早すぎて、もう第三次が終了した。
前の記事の振り返りから。
その翌日てんかんの発作があり、一晩中興奮状態だったばかりなのに、発作明けた翌昼ごろにはもう赤く腫れてきた。
発作明けでまた血祭りはキツいなあ(イヌ&ヒト)と思っていたら、転んだ拍子に破裂して日中に血が出たので、その晩は無事睡眠確保できた。しかし日中だと歩き回って血を撒き散らすかもしれない。なんとかならないものか?
無理矢理ウエスで縛ってみたら......
このまま寝かせてしばらくはよかったが、すぐにズレて、起きたらもう外れてしまった。それに虐待にしか見えない。
それにしても、どうやらこの、腫れる→破裂する→血祭り→カサブタというサイクルが無限ループしているだけで、命に別状はないような気がしてきた。こんなことに付き合わせてすみません。
ところで、今日は腫瘍とは別になんだかイライラが募っているらしいシューさん。
そして私も今日はお役所マターで怒りが渦巻いていた。
忙しくてかまえないからよけいにイヌがイラッとする。
電話中に「ワンっ!」と大きな声を出す。
その音にヒトもまたイラッとする。
電話先とイヌ、どっちにイラッとしてるかわからなくなる。
サンスクリット語に取り組んでいるとイライラしながらイヌが歩き回る。
頭をかかえて調べまくっているときに「ワンっ!」と大きな声を出す。
ああもう集中できんわい! とまたイラッとする。
私もシューと同じ漢方薬飲んだ方がいいみたいだ......。
カピカピがはがれてカサカサに
腫瘍とはたぶん関係ないのだけれど、フード自体に水分を多めに入れているせいなのか、ちっこの量(回数)が増えてオムツが大活躍だった。
M嬢がデコってくれた「腹巻&オムツ」のストリート系シューさん。
よくクルクルまわったり、大きく開脚したりして踊ってるしな。
腫瘍のその後について、第二次崩壊(10月26日)では分泌液が多くなかったためかカサブタ化も早かった。週明けに「どうですか?」と聞かれたのでマズルをクイっと持ち上げたら、ちょうど自然に剥がれかけてきたところだった。
坐禅会の日(10月31日)は具合悪いらしく機嫌が悪かったが、翌日からはずっとおだやかに寝ていることが多く、私も今週はわりとまともに眠れて平和だった。小康状態のときに寝ておかないとね。
第一次崩壊でとれなかったカサブタの残骸もようやくきれいになり、腫れがひいたせいか、むしろ乾燥してカサカサになってきた腫瘍くん。
とはいえ、シコリ自体はまだ残っているので、第三次以降もあるだろう。あるいは別のところに出てくるのかもしれない。それでも、シューさんの生命力=食欲は依然として衰えるところを知らず。まだまだ腫瘍の言いなりにはならないみたいだ。
そして、漢方がこの生命力をバックアップしていることはまず間違いない。
第二次崩壊の経過
腫瘍を発見し、余命宣告的なもののあった日からひと月が経過した。いろいろと問題はあるにはあるが、まだ力も強く、体も特に上半身はしっかりしていて、とてもじゃないが命の火が消えかかっているようには思えない。
無事に18歳4カ月の月誕生日も迎えられて、この分なら卒寿のお祝いもできそうな気がしてきたが、そういうことを言っているとガツンとやられるので、へんな期待はしないでおこう。
ただし、腫瘍はおとなしくしているわけではない。
この乳頭のようなポチッとしたところが、どんどん赤くなってきたのは前回と同じ。(以下、閲覧注意)
これはまもなく決壊するだろうとみて準備をととのえるも、日中は破れることなくただひたすら赤黒くなっていった。痛みとおそらくは灼熱感のような不快さでシューの機嫌は最悪。なだめたりすかしたりして寝かしつけるが、しばらくすると起きてしまう。夜にはさらに毒々しい色になっていた。こりゃ痛いわな。
崩壊が始まったのは真夜中。何度も起きてフンフン泣く犬をなだめては寝て、ということを繰り返すうちに手先に液体を感じた。血祭りのスタートだ。
どうにかして押さえられないかと思うが、いい方法が浮かばない。ためしに柔らかいエリザベスカラーにタオルを巻きつけて装着してみたところ、精神状態が尋常でないためか、狂ったように嫌がって騒ぎ出した。翌日が雨の予報だったので、できるだけ寝具を汚さないようにして寝かせたのだけど、ブルブルっと顔を振ったら血が四方に飛び散り......。
それでも、いったん崩壊が始まると痛みが引くようで、そのあとは朝まで寝ていた。1回目のときのように血液のあとに膿が出てくることもなく、朝のうちに出血が止まる。
いつもマイソールの時間は練習生の気配を感じて寝ないのだが、この日は起きてくることがなかった。食欲にはこれっぽっちも変化がないのだけど、疲れていたのかお昼ご飯を食べてまた寝る。
2日たった昨日の夜、再び痛みが出てきたらしく悲しい声で泣くので、ホメオパシーの先生が持ってきてくださったレメディをお口にポイっと入れる。この痛みと炎症用に排膿散及湯という漢方薬を飲ませているが、レメディならば様子を見ながら連続して与えられるので心強い。案の定、再び泣き始めたのでもう一粒与えたところ、すっと静かになって寝た。
やれやれとスリッパを履いたら、何か異物を感じて見てみるとレメディだった。ポイっと入れたつもりが落ちてたんだね。すばらしいプラセボ効果。
夜中に今度はようやく膿が出てきた。量は多くないけれど、出てしまえば痛みもなくなって、今日はご機嫌うるわシュー太郎さまでございます。
とりあえず、ご心配を裏切るほどには元気です。ありがとうございます。