腫瘍は終息、発作は継続
昨年の今ごろは、発作が頻繁に出ていてひどい状況だった。
私自身も夜通し寝られずゾンビのようになりながら、初めて出会う「てんかん」にどう対処するか日々悩み調べ、病気と戦う毎日だった。
それから考えると、今は戦わないので楽勝だ。
もはや腫れることもなさそうなので、腫瘍についてはいったん終了かと。ご心配おかけしました。
で、きょうは発作の話を。
ずっとご無沙汰だった発作がふたたびやってきたのは10日の日曜日。1ヵ月半ぶりなので、まあこんなもんかと思う。ただ、タイミングがまずかった。ヒトが断食の最中だったのだ。
CHAZEN生向けのプチ断食の会で、オンラインセッションをしていた。16時のセッションの前にフードをあげたら、セッションが始まったときは私の膝の上で寝ていて、カメラを向けてそれをみんなに見せたりして。いつもは夕ご飯後しばらくソワソワして落ち着かないのに、特に発作が起きるような日はフンフン鼻声出したりするのに、おとなしくよく寝ていた。
それなのに、ああそれなのに、22時にけいれん発作発生よ。
大発作はせいぜい数分なのだが、その後もピクピクした筋肉の痙攣は続き、脳が興奮状態なので動き回るという状態が5時間くらいは続く。そこがイヌとヒト両方にとって厳しい時間だ。夏の間はサークルに入れて安全を確保した上でヒトは寝ちゃってたけれど、今の季節は冷えるので、ブランケットにくるんで端を押さえてその中で動かしていた。
が、それも突破するほどイヌの動きが激しくなり、カラダも熱っぽいので服を着せエアコンつけてサークルへ入れる。ヒトは少し仮眠しようとするが、カラダが冷えてしまってなかなか眠れず。そこからイヌを布団へ→まだ興奮状態でサークルへ→布団へ→まだ興奮状態でサークルへを繰り返し、やっと寝たのは3時ごろだったか。
4時半に起きて後片付けしていると、イヌも起きてきた。日中も軽い脳の興奮が続くためか、長く寝ていられないようだ。昼寝をしてもすぐ起きてきて、ずっとウロウロしては、フンフン鼻を鳴らすか、ワンっと怒りの声をあげる。
これがいつもの発作パターン。
この発作は薬でコントロールしながらうまく付き合っていくしかないみたいだ。犬の寿命が長くなって、高齢犬はみんな抗てんかん薬飲んでるっていうし。実家で以前飼っていた犬は最長寿でも14歳だったから見たことなかった。
犬も人間も高齢化が進んでいる。
今回の発作は断食に重なってしまい、翌日はイヌだけでなくヒトもずっとアタマがヘンだった(いつもヘンだけど)。そして、寝不足なので18時に寝て、2時か3時に起きようと思っていたのだが、目が覚めたのは21時。断食して眠らなくてもよいカラダになっているので、もう眠れない。しかし、起きたら何か食べてしまいそうなので、布団の中で養老先生のお話など聞いていた。2時ごろやっと眠くなってきたら今度はイヌがソワソワし始めて......、またしても二晩続きの寝不足だけど、断食後なのでカラダは元気だ。
タイミング、実はよかったのか?
おせちで寝正月
あけましておめでとうございます。
まさかまさかの元気印で新年を迎えたシュー太郎氏。
たった今の腫瘍の状況はというと......。
中心にまだ目があるが、禿げ上がっていたところに毛も生えてきている。90歳にして再生力ハンパない。
熱が上がってこないので、てんかん発作もひと月以上なく、布団の中をあたためておけば朝までぐっすり寝ているし、お腹の調子も落ち着いてきて、ほんとうにめでたいお正月である。
マダムから届いた犬用おせちセットで祝い膳だ。
いざ、お重の蓋をオープン!
生きててよかったなー、シューよ。
こんなごちそう、見たこともないやろ。
ささ召し上がれ。
人間サマのご馳走、めでたいめでたい鯛のお頭付きもお裾分け。焦げ目をつけて鯛めしにするつもりが、鯛が大き過ぎて土鍋に収まらず。イヌもヒトも過分な贈り物をいただきました。
食う、寝る、食う、寝る、初詣散歩、食う、寝る......そんなシュー太郎氏(18歳6カ月)の元旦でした。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
90歳になりました
犬の年齢は人間の4倍だから犬の3カ月が人間の1年に相当するということで、3カ月ごとにお祝いをしている。で、12月25日は18歳6カ月の誕生日でこれは人間にすると90歳。いよいよ大台に乗った。
9月末に腫瘍が見つかってからは、運が良ければ......としか思えなかった90歳だけど、最近はもう腫れることもない腫瘍くんは次にいつどこに姿を見せるのだろうか。
先月の発作連続の教訓から、抗てんかん薬をきちんと飲ませているためか、それからひと月たっても発作はない。ちょっとお腹の調子が悪いのがベースになってしまっているけれど、夜はぐっすりよく眠っている(と思うとまた......なんだけどね)。
ともあれ、この日のためにとっておいたカップケーキ。マダムのくださるゴージャスなのに比べると、まあケチっくさい、シケたケーキではあるが、日曜日のマイソールのあとで恒例の儀式を。
ケーキをセットしてみんなで歌い始めると、わりとすぐに匂いを察知して探し始めた。さすがやね。
なのに反対のほうに行っちゃうんだな、これが。
日が暮れてしまうのでケーキの前に連れてきて、みなさんに毎度おなじみ「飢えた狼ショー」をお見せする。
それはそれはみごとな食べっぷりで、器に顔を突っ込んでどろっどろ。
YouTubeでクリスマスケーキを食べるトイプーの動画見たけど、すごくかわいくペロペロなめていて、こんなふうにはならなかったぞ。
けど、19歳10カ月のトイプー「ののちゃん(nono channel)」はどろどろになってごはんを食べるから、やっぱり食欲がご長寿さんに共通の特徴なのかも。
そして、こちらもおなじみ。どろっどろの顔で「命」。
みなさん、いつもありがとうございます。
お殿さまの卒寿記念旅
もうすぐお殿さまも90歳。
殿のたっての希望により、腰元や家来を引き連れておしのびの旅へ。
一時殿が体調を崩されて実現が危ぶまれたのですが、絶食で立ち直り、発作も腫瘍もなく、お天気にも恵まれて、実にありがたくめでたい1日でございました。
ときおり、家来の不行き届きで一喝の雄叫びをあげられるのですが、道中はおおむねご機嫌よろしゅうあそばされ。
最初の目的地は階段のアップダウンが多いゆえ、懐中に抱きかかえて移動していたところ、また激しくお叱りを受けまして......。自らお歩きになりたいのだそうでございます。
運動したおかげで、家来どもが食事をするときは都合よく寝ていてくださったのですが、目的地に着いたので、お休みになられたままお輿に乗っていただきました。
ところが、さすがは田舎育ちの殿。新鮮な空気には敏感で、お歩きになりたいと箱乗りしてまで訴えられるのでございました。
終始ご機嫌で動物たちにもお声がけをされたり。
馬に背後から匂いを嗅がれても、おとがめなし。
さすがに帰りはお疲れになられたようで、夕ご飯も召し上がらず、ぐっすりお休みに。
楽しんでいただけたようで、臣下一同たいへんうれしゅうございます。
どうぞお気に召すまま長生きをしてくださいませ。
ファンモンの次はフェス
腫瘍はその後大きな動きはなく、あいかわらず大きなカサブタがアゴにくっついたまま。先月シャンプー後に発作が起きてから怖くて洗えないので、自然に剥がれるのを待つしかなさそう。シーツに滲出液とおぼしきものが付着しているのだけど、頭頂部の以前からあったできもののカサブタも大きくなっているので、どちらからなのかは不明。
ファンモンも落ち着いて快眠できていた矢先、シューさんに新たな受難がやってきた。先週土曜日にちょっとお腹の調子が悪くてうんPがゆるくなったのだけれど、翌日には治っていて安心していた。ところが月曜日の午後、散歩に出たら消防署の前でゆるめの、つまり片付けがたいへんなやつを二切れほどなさった。以下シモの話ですみません。
そして、夜中に一切れ、翌朝は起きてまもなくから盛大な祭りが繰り広げられた。なさったのを片付けている間に別の場所になさるという大惨事......。それだけ盛大なフェスだとさすがにお腹が痛そうで、切ない声で泣く。
ごめんよ。すべて私のミスですだ。
食餌制限して痩せてきたので、あわてて急に量を増やしたり、繊維質のものをとブロッコリーをたくさん混ぜたのがいけなかった。そして、最初にゆるくなったときに、食事をパスさせるのが不憫であげてしまったのが大惨事を招いたものと思われる。
もはや、絶食するしかない状態になって丸1日固形物を控えた。脱水にならないよう、漢方薬と漢方茶にマヌカハニーを入れたものを与えておいた。午後、鶏のササミの茹で汁をあげたら、またもや盛大なお祭り。
以前もお腹の調子が悪かったことがあって、それは手作り食にトライした時代なのだった。おそらくは私の手作り食のセンス(量とか内容)が悪いからなのだが、シューさんには食欲に見合った消化機能がないようにも思える。私自身がそうなのだけど、炭水化物なら中高生並みに量を食べられるのだけど、油やたくさんの野菜を食べるとすぐに胃の調子が悪くなってしまう。シューも、いつものフードならちょっと多めでも問題ないのに、人間の食べるものが多いといけなくなる。
そういえば、胸郭が大きい人は食べすぎの傾向があると中医学の何かで読んだ。胃がどんどん大きくなるから入るのだね。驚異的な胸囲をもつ私と同じく、シューも胸郭がかなり大きい。困った兄弟ですこと。
1日絶食したあとの本日、おそるおそる、朝はフードをほんの少しふやかしたのちにすりつぶしたもの、お昼にはそれにササミをプラス、夕方にはフードを少し増やしてあげてみた。とりあえず今のところはセーフ。腫瘍が落ち着いているので当面は糖質制限よりも消化優先で、徐々に量を戻していくことにする。
そんなこんなで、毎週、何事かの事件が起きてはいるけれど、命にかかわるような雰囲気はなく、90歳になる日が射程距離(あと10日)に入ってきた。うれしい反面、こんな毎日ではちょっとキツイ。犬というのは家族がたくさんいる家で飼うものだとつくづく思う。
お散歩は日光浴も兼ねて昼間に。
遠くに行くときはカートに乗せて、ときどき歩かせている。ごはんも散歩もほどほどに。さじ加減がなかなかむずかしいのでありまする。
ファンキーモンキーなシュー
腫瘍はこのところカサブタのまま内側からの腫れも見られず、落ち着いている。ガンは糖分がお好きとのことなので、いつも食べているフード(炭水化物の穀類が含まれている)の分量を減らして、鶏のササミ肉を入れているのが有効なのか。
ただ、そのせいでうんチョスの量がだいぶ減った。
繊維質が足りないのかもしれないので、ブロッコリなどの野菜を混ぜるようにしてみたりしたが、カロリーが減ったせいか痩せてきてしまった。それで、またフードの量を多くしてみているが、うんチョスが順調に増えて、今度はうんのフライングをされた。ちっこのフライングとまったく同じ場所で......。
11月の終わり頃からの脳神経症状についても、鳴き叫び事件以来落ち着いていて、毎朝マイソールの間によく寝ていたのがここ数日は起きているようになり、でもおとなしくしていてかわいらしい。
ところで、数日前からシューが夜寝ているときに布団の中で何度も位置を変えて、私の体に乗り上げたり、顔のほうに上がってきたりと暴れていた。暑いときに何度も布団を蹴ったり寝返りを打つような風だったので、その状態を「煩悶」とシューの病状を尋ねる練習生に話したら、伝わらなかったらしく、
「ハンモン??」
「ファンキーモンキー?」
すげー。
女子高生との会話みたいだ。
ハンモン → ファンモン → ファンキーモンキー というその連鎖っぷり。
そのあとスートラの準備しているとき、煩悩という字を見たら思い出し笑いが止まらなくなった。しかも、♪きみはfunky monkey baby! の歌付きで。
しかし、よく考えると、煩悶と形容したシューの状態はファンキーなモンキーとも言える。
天才発言か?
次は何がくるのかわからないが、とりあえず今はファンキーでモンキーよ。
正と邪の攻防
漢方では生命力のことを正気といい、病気の原因となるものを邪気といい、病気の経過はこの正気と邪気の勝敗による。生きる気マンマンのシューたろさんはまだ正気が衰えていないのだけれど、邪気のほうもまたやる気マンマンらしく、あの手この手を使って攻め立ててくる。
先週の金曜日、前の発作のから1日空けてふたたび発作があった。
昼寝して30分もたたないうちに、口にはさまったものを出そうとしているような動きをして、砂肝を小さく切ったものが詰まったのかなと見ていたら、けいれんの発作になった。発作自体はいつもよりは軽かったけれど、まさかの昼間発作(いつも夜)だったのと、あまりの頻度に、このところののんびりムードが一変した。
そのあとも、小さなピクピクしたけいれんが続いていて、これでは熟睡できないだろうと思う。抗てんかん薬と漢方薬も増やしてみているが改善されないまま。
そんな昨夜、21時すぎに突然ワンっと大きく吠えて起き上がり、ソワソワし始めた。いつもは鳴いても抱っこしたり、マッサージしていると落ち着いてそのうち寝るのだけれど、昨夜はせいぜい10分くらいでまた起きて吠える。抱き寄せている耳元で叫ばれるので、頭おかしくなりそうだ。
ご近所にも迷惑なのではないかと布団をかぶせて(防音)みたり、興奮状態のためかカラダが火のように熱くなっているので、ひんやりシートを敷いてみたり。そのうちハアハアと息が荒くなって来たので、首にアイス枕を当てたら、今度はブルブル震え出すのでまた布団に入れてあたためたり。
お水を飲ませたらガブガブ飲んだので、それで落ち着くかと思いきやまったく。何をやってもダメだ。シューがかわいそうで仕方ないのだが、私はもう眠くて眠くて......。10月はじめごろは地震がきただけで朝まで眠れなくなるほどスイッチオンの戦闘モードだったのに、腫瘍が無限ループに入ってそれがゆるんでからは逆に起きてられない。
がまんできずウトウトする→大迫力の叫び声で目が覚める、を繰り返しているうちに朝になった。ついにまるまる一夜、叫び続けてなおおさまらず。
外は横殴りの大雨。
急な気圧の変化による神経症状と見られる。これも一種の発作なのかもしれない。
朝ご飯のフードをふやかしていると、その間だけは匂いのもとを探して鳴き止んでいた。そしてガツガツと召し上がる。この強靭な食い気という生命力よ。ご飯を食べたら寝たけれど、20分くらいするとまた起きて叫び、やっと眠りについたのは7時少し前。目覚める前にふたたび吠えていたが、お昼ごはんのあとは落ち着いて、午後は外を少し散歩もした。今夜はゆっくり寝てほしい(寝かせてほしい)。
発作とは別に、昨日(11月30日)の朝もびっくりしたことがあった。
起きて来たシューが前脚でしきりに目をかいているので見ると、右目だけ目も周りの毛も目ヤニで完全に塞がっていて、どこに目があるのかもわからない。コットンにお湯を浸してぬぐい、一部毛を切ってようやく目が現れたが、しょぼしょぼしていてよく開けられないみたいだし、充血がすごい。1時間くらい経つともう黄色いねっとりした目ヤニというか膿のようなものが出ていた。
目の上も少し赤く腫れているので、今度は目に腫瘍?? やがてバケモノのような顔になるかもと思ったりしたが、今日は膿はなく、すっかり腫れも引いて充血もあらかたとれている。一時的な炎症だったのか。腫瘍が見つかった翌日、口が腫れたときのように一気に腫れてすぐ引いた。
生命力(免疫)なのか、漢方が効いたのか。
とにかく出てくる症状はいちいち激しいけれど、シューの「食べる力」がすべての病邪を追っ払っている。こう見えてシューさんは戦隊モノのヒーローみたいなものかも。食べレンジャー、いや「食べルンジャー」だな。