第二次崩壊の経過
腫瘍を発見し、余命宣告的なもののあった日からひと月が経過した。いろいろと問題はあるにはあるが、まだ力も強く、体も特に上半身はしっかりしていて、とてもじゃないが命の火が消えかかっているようには思えない。
無事に18歳4カ月の月誕生日も迎えられて、この分なら卒寿のお祝いもできそうな気がしてきたが、そういうことを言っているとガツンとやられるので、へんな期待はしないでおこう。
ただし、腫瘍はおとなしくしているわけではない。
この乳頭のようなポチッとしたところが、どんどん赤くなってきたのは前回と同じ。(以下、閲覧注意)
これはまもなく決壊するだろうとみて準備をととのえるも、日中は破れることなくただひたすら赤黒くなっていった。痛みとおそらくは灼熱感のような不快さでシューの機嫌は最悪。なだめたりすかしたりして寝かしつけるが、しばらくすると起きてしまう。夜にはさらに毒々しい色になっていた。こりゃ痛いわな。
崩壊が始まったのは真夜中。何度も起きてフンフン泣く犬をなだめては寝て、ということを繰り返すうちに手先に液体を感じた。血祭りのスタートだ。
どうにかして押さえられないかと思うが、いい方法が浮かばない。ためしに柔らかいエリザベスカラーにタオルを巻きつけて装着してみたところ、精神状態が尋常でないためか、狂ったように嫌がって騒ぎ出した。翌日が雨の予報だったので、できるだけ寝具を汚さないようにして寝かせたのだけど、ブルブルっと顔を振ったら血が四方に飛び散り......。
それでも、いったん崩壊が始まると痛みが引くようで、そのあとは朝まで寝ていた。1回目のときのように血液のあとに膿が出てくることもなく、朝のうちに出血が止まる。
いつもマイソールの時間は練習生の気配を感じて寝ないのだが、この日は起きてくることがなかった。食欲にはこれっぽっちも変化がないのだけど、疲れていたのかお昼ご飯を食べてまた寝る。
2日たった昨日の夜、再び痛みが出てきたらしく悲しい声で泣くので、ホメオパシーの先生が持ってきてくださったレメディをお口にポイっと入れる。この痛みと炎症用に排膿散及湯という漢方薬を飲ませているが、レメディならば様子を見ながら連続して与えられるので心強い。案の定、再び泣き始めたのでもう一粒与えたところ、すっと静かになって寝た。
やれやれとスリッパを履いたら、何か異物を感じて見てみるとレメディだった。ポイっと入れたつもりが落ちてたんだね。すばらしいプラセボ効果。
夜中に今度はようやく膿が出てきた。量は多くないけれど、出てしまえば痛みもなくなって、今日はご機嫌うるわシュー太郎さまでございます。
とりあえず、ご心配を裏切るほどには元気です。ありがとうございます。